2008年3月 【平成20年度予算成立を受けて】 |
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| ■8年ぶりに国民党政権発足 |
| 台湾総統選挙が行われた結果、最大野党=国民党の馬英九・前主席(57)が与党=民主進歩党(民進党)の謝長廷・元首相(61)との一騎打ちを制して当選を果たした。馬氏は得票率約59%で、謝候補に対し220万票以上の差をつけて圧勝し、「選挙の終わりは改革の始まりだ」と勝利宣言した。今回の総統選挙では、民進党・陳水扁政権2期8年の間に漂った社会の不況感とそれに伴う国民の不満を、馬氏が吸収し幅広い支持を集めた形となった。お隣り台湾に新政権が発足したタイミングで、新政権の方向性を分析し、論を付してみたい。 |
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| ■経済を軸とした実利主義 |
馬氏の選挙公約で強調されているのは、景気浮揚のための対中投資の緩和策である。馬氏はそれを「633」と表現する。すなわち、6
: 毎年の経済成長率6%、3 : 2016年までに一人当たり平均年間所得3万ドル、3 : 2012年までに失業率を3%にする、ことを目標にするという意味だ。この目標を実現するために中国との経済関係を発展させることが必須であるとの考えから、具体的に、中国観光客の受け入れ人数増加、総統就任直後に中台チャーター便を拡大して早期に定期便を就航させる、対中投資規制の大幅な緩和、などの施策を打ち出している。
一方、中国との政治面での関係については、「三不」(3つのノー=台湾の独立宣言をしない。中国との統一はしない。武力に訴えない。)を唱える。これは台湾人としてのアイデンティティー(自分たちは固有の台湾人であるという思い)を確立してきた人々に対して、現状維持を打ち出すことで、台中関係を安定させ実利を上げることに理解を求めるものだろう。
この2点から言えることは、政治的な問題は現状維持でバランスをとり、中国との関係は経済を軸に発展させることで、台湾に大きな利益をもたらし、人々の生活を向上させようという実利主義を新政権は志向しているということだろう。 |
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| ■日本は危機感を持つべき |
| 無論台中関係が安定発展すれば日台関係も、台米関係も良好に発展すると考えられる。しかし私達日本はこれをただ受動的に扱うだけで良いのだろうかという疑問が湧いてくる。特にその疑問は経済という切り口から見るとより明確になる。というのも先般、韓国においても新大統領が誕生し、その政策目標に「747」が掲げられた。最初の7は毎年の経済成長率7%を目指すというものである。韓国は7%、台湾は6%、翻って日本は? おそらく2007年の経済成長率は良くて2%。さらに悪いことに韓国や台湾の経済成長目標を非現実的な数値目標と冷ややかに見る向きすらある。仮に目標達成ができなかったとしても、近隣諸国が日本の成長率よりは高い結果を得るであろうことは想像に難くない。そうなれば日本の経済力は相対的にアジアの中でも沈むことになりはしないか? 今こそ日本の政治は、そして私たち日本国民はこのままでは日本は危ないとの危機感をもっと持って、新しい国の方向性を創るべきだ。それは経済成長路線なのか、環境循環型社会志向路線なのか、はたまた両者を両立させる新基軸路線なのか、台湾新政権から刺激を受けて、国民全体で考えるべき課題だと思う。 |
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